本体サイト: 2005年10月アーカイブ

日本では珍しい"離れ"のある美容室が福岡県筑紫郡にオープンし、話題を呼んでいます。

福岡県内で美容室4 店舗を経営する株式会社ネオ・アーデント(代表取締役:古賀正徳URL:http://www.arrty.co.jp/)が10 月1 日に開店した美容室「ARRTY@ARRTY(アーティアーティ)那珂川店」は、 "水辺に浮かぶ近未来のリゾート"というイメージで、屋外に配した池の上にアルミ製の"離れ"を設置しました。この"離れ"は、1 日限定5 名が完全個室でアロマテラピーやヘッドマッサージなどを受けられる「リラクゼーションルーム」です。
外観は、天井・窓パネルのガラスに施された遮光フィルムにより、さながらマジックミラーの様相を呈しシャープで近未来的な印象ですが、室内は、天井と窓が特注の和紙で覆われており、癒される雰囲気が作られています。さらに夜の外観は、その和紙からもれる灯りで行灯のような柔らかい印象になり、昼間とは違った雰囲気を醸し出しています。

"離れ"のある美容室誕生に対するお客様の反応について店長の梶原さんは、「外観のインパクトが非常に大きいようで、"あれは何?"と興味を持って予約や入店されるお客様が目立ちます。その影響で、一般的に新店舗立ち上げの際の新規顧客率は20%前後ですが、同店は60%です。また、美容室でありながら個室で癒されるリラクゼーションルームは、予約でほぼいっぱいの状態です」と語っています。

同店が"離れ"として設置したのは、アルミ製住宅及び建築用アルミ構造材の設計開発、製造、販売会社であるSUS(エスユウエス)株式会社(本社 静岡市 代表取締役社長:石田保夫)が6 月に発売した世界初のアルミ製空間構築システム「tsubomi(ツボミ)」です。1メートル四方のアルミ製パネルユニットを組み合わせて自由な大きさや形の空間を作り出すことができるシステムで、発売以来、一般の方を始めデザイナーや建築家などプロからも引き合いが来ています。アルミの魅力を最大限ひき出したデザイン性と質感、軽量で構築・解体・移動・再構築が容易という点が評価され、tsubomi を利用した店舗が同店に続いて各地に誕生していく予定です。

tsubomi による"離れ"を設置したメリットについて梶原さんは、「独立したスペースのため様々な試みが可能です。
今後展開予定のエステや着付けなどのスペースとしても実験的に活用してみたいと思います」と語っています。

さらに、同店は店内の什器全てにSUS のアルミ製品を使用しています。この理由について、「アルミ素材には美容室で使用するカラー剤等の薬品が付着した際にアルコールなどでふき取ることができる耐薬品性があり、美容室にとって不可欠な清潔感を保てるし、アルミが環境にやさしい素材という点も気に入っています」と梶原さんは語っています。

建築家の伊東豊雄氏(株式会社伊東豊雄建築設計事務所代表取締役)は、アルミ製住宅および建築用アルミ構造材の設計開発、製造、販売会社であるSUS(エスユウエス)株式会社(本社 静岡市 代表取締役社長:石田保夫 URL: http://www.sus.co.jp)と協力し、世界で初めて「簾」型の構造によって垂直方向にカーブする構造壁を持ったアルミ製構造物を製作いたしました。この構造物は、11月2日(水)から明治神宮外苑絵画館前で開催されるアートイベント「東京デザイナーズウィーク」のコンテナ展で、未来型の展示ブースとして初めて出展されます。

これまで、建物の外壁等でカーブ形状のアルミ部材を用いることはありましたが、天井までがカーブ形状で、且つ支柱のないアルミ構造物の製作は、今回が初めてのこととなります。伊東豊雄氏とSUSの共同作業が実現したことで、直線的に利用されることが多かったアルミ建築に新しい発想が加わり、丸みを帯びた美しいデザインの展示ブースとして生まれ変わりました。
今回の構造物は、少しずつ断面形状の異なる3種類のアルミ押出材92本(長さ6m 高さ約70mm×幅85mm)を組み合わせてアーチを作り、部材の両端から通したワイヤーを油圧ジャッキに固定させ、圧力をかけていくことで、部材を一体化させるという構造を用いています。この方法は、軽量さと強度を併せ持つアルミだからこそ実現できたもので、構造設計上、通常の建築物と同等の強度を持ち合わせているため支柱が必要なく、空間を最大限に利用することができます。また、3種類の押出材を自由に組み合わせることで、複雑なカーブ形状を持った様々なデザインの構造物を製作することもできます。
今回の取り組みについて伊東氏は、「将来的には、住宅やコテージといった高い居住性が求められる建築にも応用できるよう改良を進めていきたい」と語っています。

SUS(エスユウエス)株式会社(本社 静岡市 代表取締役社長:石田保夫)は10 月3日(月)、耐震性や環境配慮といった今後の住宅建築に求められる性能を兼ね備え、室内環境を常に快適に保つことができる住宅コントロールシステムを導入したアルミ住宅を静岡県静岡市に完成させました。建材としてのアルミの可能性を追及してきたSUS の最新技術や取り組みを凝縮し、具現化したものです。

このほど完成したアルミ住宅 静岡M邸では、アルミ熱交換器を利用した輻射熱冷暖房の導入や制振ダンパー構造およびアルミパネル構造といった最新の工業技術に加え、進化する住宅コントロールシステムを目指してSUS が独自に開発してきたホームオートメーションを採用しました。これは、天候や季節、また気温、湿度といった環境の変化をコンピュータ上で自動的に解析し、輻射熱冷暖房、照明、電動ルーバーなどの設備機器をAUTONOMOUS(オートノーマス:自律的)に管理・制御することで、省エネルギーでありながら、住む人にとって常に最適な環境を維持することができる住宅です。尚、今回のアルミ住宅はプロトタイプではありますが、個人住宅としての使用が既に決まっております。

【アルミ住宅 静岡M邸 の主な特長】


  1. 構造体と一体となったアルミ製熱交換器システム
    成型の自由度が高く、複雑な形状も作れるアルミ押出し型材の特性を生かし、建物の構造体と一体となった天井・床パネル式の熱交換器システムを開発しました。構造材と仕上げ材、熱交換器が一体化、簡素化されたことにより、施工の簡略化、解体廃棄物の削減が可能となりました。

  2. 輻射熱冷暖房
    熱伝導効率の高いアルミ建材と、年間を通じて16℃と一定水温である井戸水を熱源として活用することで、輻射熱冷暖房の実現が可能となりました。井戸水によって熱交換された冷水を天井パネル内の通水層に循環させ、夏は輻射熱冷房します。一方、冬は井戸水が断熱の役目を果たし、太陽熱で温められた温水はエコキュートを通して床暖房に使用されるとともに、補給水温を上昇させ消費電力量を削減します。

  3. 「環境配慮型」の住宅コントロール(集中管理)システム
    従来のホームオートメーションのような利便性の向上を目的としたシステムではなく、環境に配慮したホームオートメーションを導入しました。輻射熱冷暖房や照明、電動ルーバーなどの設備機器が外部環境の変化に対応して自律的な制御が行われることで、最小限のエネルギーで常に最適な室内環境(温度や照明)を維持します。また、キッチンカウンターに設置された情報ボード(液晶パネル型コンピュータ)には、室内外の温度、湿度データや照度、消費電力量、電気料金などの情報を蓄積、閲覧、分析、記録することができ、住む人の好みに合った室内環境を設定することができます。

  4. アルミ製制振ダンパー
    一般的に鉛を用いて作られるダンパーの素材をアルミニウムにすることで、環境への負荷を軽減しました。また、複数のアルミニウム合金を組み合わせることで、建物にあった最適なダンパーモジュール(ダンパーの降伏点を調整した設計が可能)を作ることができます。

SUSでは、これまでFA(ファクトリーオートメーション)で培ってきた技術力を生かし、より豊かで安全な生活を目指すホームオートメーションの技術開発を進めております。今回の住宅は、こうしたアルミメーカー独自の技術を駆使した建築であり、アルミの持つ精度の高さや汎用性、他の金属では成し得ない繊細な表現を生かして作られた環境配慮型住宅のあり方を提唱するものです。当社では、今後問われるサスティナブル(持続可能)な循環型社会の実現に向け、アルミ建築における未来型住宅のあり方およびライフスタイルを提案していきたいと考えております。